社長といっても、最初は何でも自分でやらなくてはいけなかったし、ふんぞり返って事務所でゆっくりしているなんてことはできなかった。

本当に激務だったし、営業もバリバリこなしていた。

 

営業と言っても、技術系の会社だったので、ほとんどがメーカーの研究所か工場が訪問先。 そんなシチュエーションでの、営業の持ち物あるあるをご紹介しようと思う。

 

鞄 (機能重視! 安いナイロン生地の物で、汚れたらすぐに買い替える!)

ノートパソコンが入る、A4サイズで肩から掛けられるものが必須。 工場は汚れるし、床に置かざるを得ないことが多いので、黒で底に鋲が打ってあるものがよい。

オジサンが持っているPCバッグ(斜め掛けできるやつ)は、肩紐が長いし、小物が入らない(ポーチとか)し、いちいちファスナーを開けて財布とかスイカを取りだすのが大変なので、NG。 トートバッグみたいな形がいい。

レザーだと重いので、ナイロンがよい。 汚れるので、あまり高くないものを買って、半年程度で買い替える。

 

靴 (営業は絶対に靴にこだわるべき!)

営業は先の尖った靴はダメ! (先の尖った靴は、攻撃的に見えてしまい、相手に敵対する心理を持たせてしまう) あくまでもオーソドックスなものを!

靴がボロボロだと、どんなにいいスーツを着ても決まらない。 そのぐらい全体の印象を左右してしまうので、  値段が高くても質の良い物で、足に合うものを!

余談だが、日本人はすぐに脱げるようにスカスカで、サイズが合っていない靴を履いていることが多いので、外国人からするととても不思議に見えるらしい。

靴の汚れはその日のうちに落として、最低でも週に1回は靴を磨く。 1年に一度メンテナンスに出す。 こうすると、靴が長持ちする。

私の場合は、営業で歩いたり、工場で丸一日データ取りしたりすると立ちっぱなしなので、とにかく質のいい靴が必要だった。 工場は油で汚れるので黒がいいし、安全上、ローヒールもしくはフラットな靴を履いていた。 (←工場の決まりで安全靴の時以外)

足が痛いと仕事にならないので、ここには徹底的にお金をかけていた! お勧めはヨーロッパの靴で、きちんとシューフィッターがサイズを合わせてくれるところ。 私が一番愛用しているのは、アルカというブランドの靴。 定期的にメンテナンスをして10年以上履いている。

 

腕時計 (国産のオーソドックスなものがいい)

ヨーロッパに出張に行くついでに、ロレックスとか買っちゃいたいけど、ぐっと我慢をして、とにかく国産で通していた!

機械を調整するときに、ぶつけて傷がつく可能性もあるし、「いかにも!」という高い時計をしているとお客様から、「そんなに儲かっているなら値引きしろ」と言われてしまう!

女性用に多い、キラキラした時計も変に目立つので避けていた。 結局、国産で5万円程度の地味なオーソドックスな時計が一番。

ちなみに、工場や研究所は携帯を持ち込めないところがほとんどなので、腕時計が必須だったのだが、メーカーの仕事をしなくなってからは、ずっと腕時計を使わず、スマホで済ませている。(腕時計の日焼け後が付くのが嫌なので・・・)

 

名刺入れ

初めて就職したときに、デパートで買ったノーブランドの物をずっと愛用。 茶色の牛革で、至極シンプルなもの。 一度、調子に乗ってピンクのカルティエマークがゴテゴテ入った名刺入れを買ったが、どうも営業に持っていくのに気が引け、結局、使うことなく、売ってしまった。

 

ペンとノート (お客様に安心感を与えるものを選ぶ)

意外と見られているので、営業でノートを取る時には、ミドリカンパニーの「書くことにこだわったノート」にオリジナルで作ってもらった茶色の革のカバーをつけていた。

 

この方が、普通のノートに書いているより、各段にお客様に安心感を与えることができる。 (「あなたの情報をきちんと大切に扱っています」というサインを出す)

余談だが、ミドリカンパニーのノートは、本社から来日したスイス人もドイツ人も皆、品質が良いと感動して大量に買っていた。

 

そしてペンは、重厚感があるシルバーの自分の名前入りの多機能ペン。 (黒と赤のボールペンにシャープペン) 図を描くことも多々あったので、シャープペンが必須だった。

それとは別に、工場の現場で使うために、汚れても落としてもいいボールペンがカバンやポケットなどあちこちに入っていた。 さらに、現場で必須なのが、マイネームなどの油性マジック! これは、機械を調整するときに、金具の位置をマークするのに使ったりするのに必須だ~。 これもカバンに常に2,3本入っていた。

 

契約書にサインをするときには、もちろんモンブランの万年筆といいたいところだが、私はペリカンかパイロットの万年筆を使っている。

 

その他の営業アイテム

ウェットティッシュ: 機械を触って手が汚れた時用。

非常食: お昼を食べ損ねた時のために、ソイジョイかカロリーメイトを常備。

超軽量折り畳み傘: 営業で遠出するので常に持ち歩く。

 

ちなみに、営業のスーツの色は絶対に紺色にえんじ色のネクタイがいい! これがアメリカの心理分析によると、一番営業成績があがる色の組み合わせだそうだ。

女性はネクタイをしないので、私は紺のスーツにえんじ色のストライプが入っているシャツを着ていた。

そして、セミナーなどで、講師をするときは、プロフェッショナルに見える黒いスーツがいいそうだ。

また、ベージュは弱い色だそうで、私はお詫びに行く時に着るようにしていた。