息子は小学校4年生の時、借り入れの嘆願書を書いた!
昨日の記事で、”息子に営業の極意を叩きこんでしまう”ことを紹介したが、もちろん子育てあるあるはそれだけでは終わらない。
小学校4年生になった息子が、どうしてもあるゲーム機が欲しいと言ってきた。
が、私は絶対にゲーム機は買い与えない!
どうしても欲しければ、自分で誕生日プレゼント(予算5000円)を何回かためるか、お年玉で買うしかない。
でも息子は、誕生日の過ぎた7月に、夏休みに向けてどうしても欲しいと言う。
「夏休みはゲームをせずに勉強しろ! 野山を駆け回れ~! お年玉まで待ちなさい!」という私と、
「暑すぎて外で遊ぶのは絶対に無理! だから、どうしてもゲーム!」という息子と何度もかみ合わない会話が続いた。
すると息子はこう言ってきた。 「もし、どうしても今必要なものがあって、確実にお金が数か月後に入ってくる時、ママならどうするの?」と。
自分がこう言うことでもたらす結果がどうなるか、悩んだ末に、こう言った。
「借りるかな~。」
そしてこう付け加えた。
「基本的にママは借金はしない。 だからお年玉をもらえるまで待つ。 でも、人生、どうしても将来のために借金しなくてはいけない時があったりする。
だから、もしどうしてもお年玉まで待てない理由があるなら、借りるっていうのもあり。 でも借金癖だけは絶対にいけない!」
ゲームなんていう娯楽のために借金などということは、基本的に全く賛成できない。
しかしながら、この機会に借金とは何かということをしっかり考えさせて、体験させてみようと思ったのだ。
もちろん、このことで借金へのハードルが下がって、将来すぐ借金する大人になってしまうのは困るが、そうならないように私が注意しながら教えようと覚悟を決めたのだ。
その上で、息子にこう言った。
「今、小学生でまだ社会的な責任を取る必要がないから、今のうちに借金とはどういうものかきちんと考えて、その恐怖を味わうのもいいかも知れないよ。
大人になってから、考えもせずに安易に借金するような人生にならないためにもね。
だから、どうしても借りたいというなら、貸してあげる。
でもそれにはきちんと頼み方ってものがあるんだよ。」
息子 「え? 土下座?」
私 「そんな、感情に訴えたパフォーマンスは全く意味がないよ。
大事なのは、どうやって返すかをきちんと説明すること。
そして、どうして今借りなくちゃいけないのか、相手にも理解してもらって共感してもらうことだよ。
それをきちんと紙に書いて約束する。 それから、貸してくださいって頭下げてお願いするんだよ。」
息子 「誓約書を書くんだね~。 でも、返せなかったらどうするの?」
私 「いや、この場合は嘆願書かな~。 それと、そもそも、返せないお金を借りてはいけません!」
息子 「そうじゃなくて、オレは今は絶対に返せると思ってるよ~。 でも、なんか思いもよらないことが起こって返せなくなるかもしれないじゃん。 地震とかさ。」
私 「約束通りに返せないと、利息がどんどん、どんどんついて、雪だるま式に借金が増えて、絶対に返せない額になって、破産するんだよ。」
息子 「え~! オレ破産は嫌だ~!」
私 「それは極端な話。
思いもよらないことが起こって、返せなくなるかもしれない。
でも、そうなったらなるべく早く正直に話して、誠意を見せて、どうしたらいいか相手と話し合うんだよ。
借りる前に返せなくなる可能性もいろいろ考えて、でも冷静になって、そのリスクと、借りたことで得られるメリットのどっちを選ぶか自分で決めるんだよ。」
息子 「借金ってそういうことなんだ~。」
私 「そうだね。 借金しないに越したことはないけど、でもどうしてもするならそういう借金をしなさいということだよ。
そして、“今は冷静に考えて返せると思っている、でも思いもよらないことが起こる”ってことも人生にはあるんだよ。
それでも、先ずは借りるときに“こうやって返します”と宣言して約束しなきゃね~。
そんなことも堂々と宣言できない人に誰がお金貸すと思う?」
息子 「なんか、宣言するって勇気がいるね」
私 「そうだね。 借金って怖いよね。 でも、どうしても必要だったら、腹くくるしかないよ。
そんな覚悟がないなら借りないことだね~。
それは、万が一のことがあって約束通りに返せない状況になったとしても、少しずつでも最大限努力して返します!と誠実に向き合う覚悟でもあるよ。
どうする? 借りるの?」
息子はしばらく悩んで、借りることに決めた。 そして、私を納得させるためにパソコンで嘆願書を作った。
そこには、名前、生年月日、住所。 お願い文には、「ゲーム機を購入したいので○○円かしていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。」
購入したい理由には、きちんと“今購入した時のメリット”がプレゼンされていた。
もちろん、返済計画表も添付されていた。 表にはお年玉見込みリスト。 おばあちゃま x万円、おじいちゃまx万円、ママ x万円(よろしく!)と書いてあった!
ちゃっかりしているな!
さて、こうして私から借り入れたお金でゲーム機を買った息子は、夜も寝むれないぐらい「お年玉をもらえなかったらどうしよう」と悩んだそうだ。
そして、万が一何かがあったら心配で、月々のおこずかい540円
(毎月500円だったのが、息子の交渉により消費税分が加算され、540円になった経緯がある)
も一切使えず、貯金箱に入れていた。
幸運にも、10月に北海道から遊びに来た私の叔母に、おこずかいをもらい、思わぬ臨時収入が入り、無事に借金を前倒しで完済した。
完済した時、息子は言った。
「オレ、もう借金は2度としたくない!」
よかった! 私の思惑通りになった! と、ほっとした。
そして、息子に
「今回、借りるときにはどうすればいいか、学んだよね?
でも、これは貸すときも同じだよ。
こうやって、きちんと返済方法や借りる理由を具体的に示してこない人には絶対にお金を貸しちゃダメだよ。」 (っていうか、基本的に人にお金を貸しちゃダメ~)
と、さらなるお金の教育をしてしまうのだった。
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