先日、テレビを見ていたら、とても面白い番組をやっていました。

それは「くらべるマネー」という番組で、”同じ職業にも関わらずリッチな人とプアな人”というサブタイトルで、文字通り、同じ職業なのにお金持ちと人と貧乏な人とを紹介するという番組でした。

 

紹介された職業は「塾講師」「ラーメン屋」「美容師」「雑誌編集長」などでした。

面白かったのは、貧乏な人達が

「騙されて借金」とか

「スキルが無い」とか

「お酒におぼれて真面目に仕事していない」とか、そういうことでは全くなかったことです。

 

例えば塾講師の貧乏な人は、ご自身が凄く優秀で、頭が良い方で、そして教え子たちの有名大学への合格率がものすごく高い。

なのに超貧乏でした。

 

貧乏なラーメン屋さんは、田んぼの真ん中にひっそり、今にも崩れそうなお店。 お店の中も雑然としていて、汚い。 手書きの看板だらけ。

一見、「え?こんな汚いお店で食品衛生法とか大丈夫なの?」と思うし、これじゃあ閑古鳥が鳴いていて貧乏なわけだ・・と勝手に想像していました。

 

しかし、そのラーメン屋さんにお客さんが次々に入っていくし、遠く県外からもそのラーメン目当てにやってくるそうです。 美味しいと、意外と有名らしいです。

なのに、原価が高いので、全く儲からないそうです。

 

美容師の貧乏な方は、美容師のコンテストで日本一になったほどの実力なのに、ひょんなことからインドに美容室を出店したけど、お客が全く来ないそうです。

この方以前に他の番組で見たことあり、海外進出の典型的な失敗例なのでいつか書きたいと思っていました。

一番の敗因は、インド人女性は宗教上、めったに髪を切らないことだと思います。

 

女性編集長の貧乏な方は、自分の趣味の「野宿」をテーマに自費出版の雑誌を出しているそうです。 でも、儲けはほとんどないそうです。

 

対して、同じ職業でリッチな方は

塾講師→ ネット塾の講師、それ以外に参考書の出版

ラーメン屋→ 大阪王将の社長。 ラーメンよりも餃子の冷凍販売の売り上げが高い。 ラーメン以外の外食も手掛ける。

美容師→ 美容室をフランチャイズ展開。 美容師に独立されるよりも、チェーン店で出展させて、稼がせる方法を伝授するやり方が受けた。

女性編集長→ 人気雑誌のコンセプトの発想から立ち上げまで手掛けた。 トレンドのリサーチに余念がなく、立場上、自分が何を着るかを意識して、服は全てワンシーズンしか着ない。

 

と、こんな感じです。

 

そこで、私が感じた差は

「先ずは顧客という視点」と

「多くの人にその商品やサービスを届けたいという希望」

(←お金をもらうことへの罪悪感とも、大いに関係している)があるかどうかだと思いました。

 

ここで、紹介された貧乏なみなさんは、自分のやりたいことを突き詰めていました。

というか、その思いが強いんだと思います。

だから、顧客ではく「自分」が意識の中で大きいのだと思います。

 

塾講師の人は

「自分が勉強するのが楽しくて、教えるのも楽しい。 だからお金なんかもらっていいのか?」という趣旨のことを言っていました。

 

ラーメン屋さんも自分が美味しいと思うので、原価率などを無視して、遠くからいい材料を取り寄せています。 儲からないからほとんど趣味のようなものだそうです。

野宿の方に関しては、もう完全にマイナーな趣味の世界なので、世間一般に野宿を広めたいなどと思っていないと思います。

 

それに比べて、リッチな方は

「多くの人に届けたい」とか、

「一人でも多くの人に喜んでもらえれば」とか、

 

『他』と『多』を意識した発言が多かったように思いました。

 

それは他人のための人生ということではなくて、「自分は●●で人を喜ばせたい」という、自分がやりたいことでの利他という感じです。

 

ああ、貧乏な人も、ここに顧客目線の視点と、次段階としてより多くの人に届けたいという視点が入れば、成功して、同じ職業のリッチな人みたいになるんだ・・・と実感しました。 差ってほんの少しなんだと思いました。

加えて、自分のやりたいことを突き詰めているので、逆に「それでお金をもらってはいけない」という変な罪悪感があるのだとも思いました。 その罪悪感がとれて、「もらう」準備ができれば、きっと成功に近づくのになぁと思いました。

 

*美容師の方は、インド人女性は美容院に行く人は少ないのに「インドに技術を広めたい」そうです。 逆に言えば、美容師の方の視点はいいはずなので、インドの社会が変わればすごい成功できると思うのですが、宗教が絡むので、そこまで急に変わるのか疑問です。

 

でも、ここで紹介された貧乏な人って、皆さん(←美容師の方以外)すごく幸せそうなんです。

特に、塾講師の方と、雑誌編集長の方は、同じ職業のリッチな人よりも、ずっと幸せそうに見えました。 (ラーメン屋の方も幸せそうでしたが、大阪王将の社長もむちゃくちゃ幸せそうに見えたので・・・。)

 

本当に好きなことをしていると人は幸せなんですね。

なので、成功して幸せになるには

「好きなことをして、多くの人の役に立つ!」もしくは、「多くの人の役に立つ自分の好きなことを見つけてそれを極める」ことだと思いました。