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夏が心の底からキライなのは父が原因?
私は夏が大っ嫌い!
だって、暑い! とにかく暑い! しかも虫が出る。 セミとかG(ゴキブリ)とか。
だから、お金持ちが集まるシンガポールとか、セブとか、税金が無いバーレーンとかに移住したいと思うものの、絶対に暑い国では暮らしたくないので、移住できずにいる。
私の父は、医大に行ったが卒業していないという、中途半端な学歴で、その後いろいろな悲劇に見舞われ、細々と自営業をしていた。
はっきり言うと、貧乏だった!
しかし、父は、
鎌倉の超一等地に広大な屋敷を持ち、
兄弟がほとんど皆東大という素晴らしい実家をもつ
超お坊ちゃまなので、タチが悪かった。
父はやさしくていい人なのかも知れないが、どこか協調性がないというか、言いだしたら聞かないお坊ちゃまの片鱗があるというか・・・。
そして、高学歴一家に生まれたせいなのか、自分の「腐っても医大」だという自負(卒業してないが)なのか、
時々、変なことを正しいと信じてそれを通すところがあった。
たとえば、「ゼロ戦の性能は未だに世界最高だ(←そのころすでに世の中にジェット機ありますけど・・・)」みたいな都市伝説をそれらしい理屈をつけて信じるのだ。
実家の夏は地獄だった
そんな父が信じていた都市伝説の一つで、イギリスに留学するために実家を離れるまでの長きにわたって私を(多分姉妹をも)苦しめたのが、
「網戸は風を通さないから暑い!」だ!
いったいどこをどうすれば、そんな話になるのかさっぱり分からないが、
私はイギリスに留学するまで、ずっと父によって「網戸は暑い」と信じ込まされてきた。
だから実家には網戸がついてなかった。
そして当時クーラーなどは、贅沢の極み! 普通の家にはなかった。
なので、窓を開けるしかない。 幸い、実家は団地の6階だし、間取りがよくて、日当たりも風通しもよい。
しかし、夏に電気をつけて窓開けていたら、当然、バンバン虫が入ってくる! 羽アリ、セミ、G・・・G・・・G!
そうなると家は修羅場。 3人姉妹が「ぎゃ~!」と泣き叫び、走り回って逃げ回り、まだ小さかった4女の末の妹はその声にびっくりして泣き出す。
そして、母がキレて、「もう虫が入って、子供たちが怖がって泣きわめくから、カーテン閉める!」と、分厚いカーテンを閉めるのだ。
すると、風が通らない。 暑い~! 地獄のように暑いが、虫よりはましだ。 一時の平和。 ・・・でも暑い。
そのうちまた父が、暑さに耐えられずにカーテンを開ける。 虫が入る。 修羅場。 母がキレてカーテンを閉める。 暑い。 これが延々と繰り返される。
地獄。 本当に地獄! 夏の清水家は地獄絵図だった。
検証できない説は長くはびこる
今から思うと、母は学歴こそないが、本当に賢い人で、後に経済難から就職し、かなり出世した。
そんな母が、なぜ父の無茶苦茶な「網戸は暑い説」を信じたのか?
・・・それは母が北海道出身で、暑さや、網戸などというものとは縁がなかったからではないか?
だから、網戸を見たことも、網戸がある生活を経験したこともない母は、父の勝手極まる「網戸は暑い説」をすんなり信じたのだと思う。
かくいう私も実家を離れるまで、「網戸は暑い説」を信じていたのも、網戸がある生活をしたことがないので、暑いかどうかも分からなかったからだ。
イギリスに留学したら夢にまでみた涼しい世界に!
さて、そんな夏が大っ嫌いな私が、当時切実に願っていたことは、
「涼しくて、Gがいなくて、地震がない国で暮らしたい」
ということだった。
それが、イギリスに留学したとたん、かなったのだ!
イギリスは涼しくて、Gはいない(ロンドンとかで超汚いところにはいるらしい)。 そして地震がないのだ~!
私が留学した90年ごろ、イギリスは真夏でも23℃ぐらいだった。
8月でも夜などは寒くてセーターを着ていた。
だから、こんな素晴らしいところはないと思っていた。
もうここで一生暮らしたい。 絶対に、「暑くて、Gがいて、いつ地震がくるか分からない日本になんか帰りたくない!」と心の底からそう思っていた。
今はイギリス人から羨望の目
それが、今はどうだ!
気候変動のせいで、先週イギリスは35℃! ありえない!
友達みんなが、暑い暑いとフェイスブックで愚痴っている。
その時東京は23℃だった。 しかもこっちはエアコン常備。
イギリスの友人たちがみんな、日本はエアコンがあっていいな~と、羨ましがるぐらいだ。
(イギリスでも、ごく一部の人はエアコン付けているらしいです。)
エアコンが無くて、暑さに慣れていないイギリスで35℃は殺人的暑さだと思う。
家も、寒さ対策はあるけど、暑さ対策は全く取られていない。
それに比べて日本の方が、エアコンはもちろんだけど、昔から暑さに対するいろいろな知恵や工夫があるし、家も暑さ対策が取られている。
今や東京は北海道やイギリスよりも涼しい
あんな地獄だった日本の夏だが、エアコンがついたおかげで、夏に窓を開ける必要もなくなり、虫が入ってくることもほとんど無くなった。 (これを完全に0にできないのがつらいが・・・)
しかも今は、暑い中、外に出ることも、宅配やデリバリーなどを活用すれば、極力避けられる。
真夏こそ、サラリーマンじゃない自分にとても幸せを感じる。 汗でベトベトな他人と接触しなくてはならない満員電車に乗らなくて済むからだ!
そして、今年は思い切って、8月の仕事はなるべくしないことにした! (家でできる仕事に限る~)
息子が小2で作った俳句のごとく、「夏休み、あまりに暑くてひきこもり」だ! ひきこもってやる!
東京は、今やロンドンや北海道よりも、気温もよっぽど涼しくて、しかもエアコンがあるので快適だ! 富良野なんて、ラベンダーでさわやかなイメージがあるが、今や沖縄より暑い!
(北海道もエアコンが無い家が多い!)
「網戸は暑い説」その後
さて、長年清水家を支配してきた、父による「網戸は暑い説」だが、私が大学を卒業してイギリスから帰国した時に、父を論破し、終焉した!
父が「網戸は風が通らないから、暑いんだ!」と言うので、
「空気の分子が網戸の網目を通り抜けないわけがない。」
「網戸が暑いからって、窓開けて、虫がくるから厚手のカーテン閉めてる方が絶対に暑い!」
と論破した。
物理学部を卒業した娘に言われて、父は反論できなかった。
論破した時、姉妹全員と母が、
「やっぱりそうだよね! 網戸って暑くないよね!」 と、
みんな、この説に以前から疑問を持っていたようだった。
そして、晴れて、清水家は父の「網戸は暑い説」の呪縛から解放されたのだ!
父は「そうかな~。 俺は網戸は暑いと思うんだけどな~。 まあ、どちらにしろ、今はエアコンがあるから網戸はいらないよな~」 などと言い訳していたが、そんなのも今はすっかり昔の話だ。
父は先日「網戸は暑い説」の存在などすっかり忘れて、妹の家で、網戸を通してくる風に当たって涼んでいた。
そう、せっかく「網戸は暑い説」など不要な現代の技術、エアコンがあるにも関わらず、ドケチの妹は
NHKで「高温注意報」など、枠が常に表示されているぐらい暑くないとエアコンをつけない!
しかも、妹は庭の草をぼうぼうにしているので、蚊とか小さな虫が入ってくるのだ~!
姪っ子や甥っ子が「暑い~! 虫が入ってくるのが嫌だ~!」とわめき散らしても、
「私が子供の頃はもっと大変だった!」と、よっぽどじゃないとエアコンをつけない妹。
妹の家では、いまだに夏の地獄絵図が繰り広げられているのであった。
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