今は無い学校も多いと思いますが、息子の小学校(公立)は毎年クラスの電話連絡網がありました。
これが、本当に大変でした。 実際に何があったかご紹介します。
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初めての電話連絡
息子が小学校1年生の頃は、メールはそれこそ皆が使用しているものの、まだLINEがそこまでメジャーではありませんでした。 個人情報の問題などがありましたが、誓約書を書かされて、年度開始時に学級ごとの電話連絡網が配布されていました。
その頃は、私も引っ越す前だったので自宅に固定電話があり、その番号を連絡網に記載していました。
さて、息子が1年生の6月に初めて、電話連絡がありました。
その時、電話してくださった、連絡網で私よりひとつ前の方が震えるような声で、
「1年3組の電話連絡網です。 初夏となってまいりましたが、(・・・と、挨拶が始まる)。 中略・・・。 明日、図工の予定でしたが、音楽となりましたので、持ち物の変更をお願いいたします。 音楽に必要なのはカスタネット・教科書です。 では、次の方へご連絡をどうぞよろしくお願いいたします。」 とおっしゃられました。
私は、ずいぶん話の長い方だな~、こっちは忙しいのに! と思いながらも、
「了解しました。 明日は図工の代わりに音楽ですね。 持ち物はカスタネットと教科書ですね~。」と確認して、電話を切り、次の家に電話しました。
会社の要領で、次の方に、挨拶して、「明日の図工の授業は音楽に変更です。 よって、持ち物は、図工の用意は不要で、代わりに音楽の持ち物としてカスタネットと教科書となります。」と要点をキッチリまとめて連絡しました。
それが大問題?
その数日後、これがPTAで大問題に発展してしまいました。
「連絡網の伝言文を、勝手に変更した人がいる」
とまるで殺人事件でも起きたように、PTAのクラス役員のお母様が大騒ぎをして、犯人捜しを始めたのです。
クラスの人達に1人1人電話して、誰がどういう伝言をしたのか、確かめでいました。 もちろん、その犯人は私ですが、私は犯人探しの間、出張に行っていて、家の電話に出られませんでした。
家に戻ると、留守電に「学校で大変な緊急事態が起こっているので、至急連絡ください」とのメッセージがあり、何事かと思って、その方に連絡しました。
すると、「連絡網がきちんと伝わらなかった。誰が間違えたのか知りたい」とのことでした。
もう、大変な緊急事態ってそれ?と、理解できない気持ちでいっぱいでしたし、誰かカスタネットと教科書というのを伝え忘れた方がいるのかな~と思いました。
私は、「え、私はきちんと伝えましたよ。 図工が音楽に変更になったこと、音楽の持ち物がカスタネットと教科書ですよね。」と言いました。
連絡網のあいさつ文を3時間かけて話し合って決めるPTA
そうしたら、相手の方が、
「あいさつ文が伝わっていないじゃないですか! きちんと伝えてくれなくては困ります!」と烈火のごとく怒りだしました。
そして、「次の方に実際に何って言ったんだか、今言ってください!」とまるで尋問されるように責められました。
私が「それ、必要ですか? 内容が伝わることが大事なんじゃないですか?」と聞くと、
「私たちPTA役員が集まって、3時間かけて決めたあいさつ文ですよ!
それを台無しにされた!
どうしてくれるんですか、責任とってください!」
と、電話の向こうで激怒している感じでした。
あのやたらと長いあいさつ文は、電話してきた方が丁寧に私に挨拶しているわけではなく(変な人だなと不思議に思っていた)、PTA役員の方が集まって3時間かけて決めたあいさつ文なのでした。
そんなのに3時間もかけられるなんて、どんなに暇なんだと驚愕しました。
もうあまりにも、バカバカしくて、付き合っていられません。 これが世にいうPTAの洗礼か!と思って、ほとほと呆れました。
でも、逆らってこれ以上、こんな不毛なことに自分の時間を無駄にしたり、学校で余計な軋轢を生むのはいやなので、とにかく嵐が過ぎるのを待つしかありません。
その場は、「初めてなので不手際で申し訳ありませんでした。」と平謝りしました。 (その後延々と30分以上文句を言われましたけど。)
連絡網の回し方 「セリフは絶対に間違えてはいけない」
その2日後、息子が学校からプリントをもらってきました。
そこには、「電話連絡網の回し方」と書いてありました。
見ると、こんな内容でした。
先ずは、「先日の電話連絡網できちんと伝言されなかった方がいます。 みんなの迷惑になりますので、今後はこのような事がないよう、再度電話連絡網の連絡のやり方を配布いたしますので、厳守してください!」と、私に対しての軽いジャブが入っていました。
そして、こう書いてあります。
電話連絡網の回し方
電話する方は
「○○小学校、○年○組のxxxx(児童の名前)の家のものです。 電話連絡網にて、連絡があります。 重要な内容ですので、ペンとメモの用意をよろしくお願いいたします。」
と最初に言いましょう。
電話を受ける方
「わかりました。 今、準備をいたしますので、お待ちください。 (準備ができたら) 準備ができましたので、伝言をお願いいたします。」
と、答えましょう。
電話をする方
「では、お伝えいたします。」 と言ってから伝言文を伝えましょう。
そして最後に「以上です。」と言って、伝言を終えましょう。
電話を受ける方
伝言を聞き終えたら、「では、復唱いたしますので、一緒にご確認をお願いいたします。」 と言って、内容を復唱してください。
その際に電話をした方は、一字一句間違っていないか、必ず確認すること!
そして、「内容に間違いはありませんか?」と確認します。
内容が全てあっていたら、電話をした方が「はい、間違いはありません。 次の方に連絡をお願いいたします。 次は△△さんです。」と言います。
電話を受けた方は「わかりました、△△さんに電話をいたします。 では失礼いたします。」と言ってから電話を切ってください。
と、セリフまでもが決められていました。
この電話連絡網のセリフも、一字一句守らなくてはいけないそうです。
連絡網というより、もはや恐怖の伝言ゲーム
そんなに一字一句間違わずに伝えることが重要なら、一斉メールにすればいいのに!
もう、私は「これはなにかのコント?」と思いました。
もうこなると、連絡網というより、バッシングという罰ゲーム付の伝言ゲームですよね。
一字一句間違えずに伝えろとか、ちょっとでもセリフや手順を間違えるなとか。 それで、ちょっとでも間違えると大騒ぎして、一軒一軒確認の電話をして犯人捜し。
どこまで暇なの?
この件で、私はこんなPTAにはついていけないと、本気で思いました。
多分、先日の電話連絡網で、前の方(うちに電話してきた方)の声が震えていたのも、この方はご兄弟がいて、電話連絡網とは、「一句でも間違ったら大バッシングされる恐怖の伝言ゲーム」だと知っていたから、絶対に間違えないように緊張していたのでしょう。
後日、他のママに聞いたところ、一言でも間違えたら後でひどくバッシングされるし、後で、何て言ったか確認の電話がくるため、メモの紙も全て年度末まで捨てずにとっておくという方もいました。
そして誰も参加しなくなった
さて、そんなやっかいな電話連絡網、私は巻き込まれないために、とっておきの解決策を見つけました。
それは、全ての電話に一切でないことです。
そんな訳のわからない、伝言ゲームのバッシングから身を守るためには、ゲームに参加しないのが、一番いい防衛方法です。
少し不便だけど、仕方がありません。 他の電話には、留守電のメッセージを確認してから、必要なら折り返すことにしました。
すると、その「電話連絡網の回し方」プリント配布以来、さすがにこんなのやっていられないと思った方が増えたのか、忙しい方が増えたのか、皆が連絡網の電話に出なくなりました。 皆さん、考えることは一緒ですよね。
連絡網の上位の方が、結局、全部の家の留守電にメッセージを入れるはめになっていると、嘆いていました。
そんな、一字一句完璧に伝えないと、大バッシングを受ける恐怖の伝言ゲームなんて、面倒くさくてだれも参加したくないですよ~。
当然の結果です。
そして、その後は「連絡網で上位になりたくない争い」が始まりました。
誰も電話に出なくなったので、上位になると、皆の家に電話して留守電を残す(それも一字一句間違わずに!)ことになるので、誰も上位になりたくありません。
学年の初めに、「私は留守が多いので、ご迷惑をかけるので、連絡網は下の方にしてください。」と、申し入れる人が続出したのです。
結果、以前は兄弟姉妹がいる家かどうかで連絡網の前か後ろが決まっていて、家のある地区ごとに列を作ってあったのですが、ある時から一律で名前順になりました。 (相葉さん、お気の毒・・・)
そして、電話連絡網は息子が6年生まで一応作成されてはいたものの、実際に最後の連絡がきたのは、3年生の時まででした。 4年生からは、メールでの一斉配信で連絡が来るようになり、この恐怖の伝言ゲームは終焉したのでした。
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