イギリスに行きたいと熱望する息子の友人
昨日、息子とクリスマスにイギリスに帰省する話をしていました。
今年はカレンダーがいまいちで、息子の中学校の終業式は12月26日。
それだと肝心なクリスマスには間に合わないので、一週間ぐらい学校を休むしかないと話していました。
息子は学校を休むことを心配していますが、基本的に今の公立校は私用で休んでも何も言いません。
しかし、不安なら、イギリスの家族(元ホストファミリー:現在も本当の家族同然)は、孫として、うちの息子を可愛がってくれているので、クリスマスは絶対に外せないことや、これは旅行というより、実質は帰省だということを、私から先生に説明しておくと言いました。
すると、息子がどうも乗り気ではありません。
「イギリスに行きたくないの?」 と聞くと、「行きたい!」と言います。
では、何が不満なのか聞いてみました。
すると、息子が今一番仲が良くて、部活も一緒のNくんが、イギリスにはまっていて熱くイギリスを語っているんだと言います。
Nくんは、シャーロックホームズにはまり、それからイギリスにはまり、海外のことを調べる社会の夏休みの宿題もイギリスについて調べていたそうです。
ロンドンのどこに何があるとか、やたらと詳しくて、「イギリスに行きたい」と言っているそうです。
息子は、自分はイギリスに行ったことがあるとNくんに言ったものの、なんか申し訳ない気持ちになってしまって、私がイギリスで暮らしていたことや、イギリスにも家族と呼べる人達がいること、いわいる実家があって、そこに自分の部屋もあることをNくんに言えなかったそうです。
それが、知られてしまうと、なんか気まずいと言います。
私は、「それはすぐにNくんに言った方がいいんじゃない? 別に悪いことしているわけではないけど、後で知るよりは早く知った方がいいよ。」
息子「だよね・・」
Nくんは、きっと親友だから、息子に自分の思い入れとかを語ってくれたのだと思うので、それに対して、息子が自分のことを開示しいなかったことに、がっかりするのではないかと思うのです。
息子 「Nくん、自分じゃなくオレがイギリス行くって、悔しがるかな~。」
私 「でもそれ、あなたのせいじゃないから・・・」
そんな話をしました。
友達から泣きながら「ずるい」と言われた妹
私の妹にも、中学生の頃に同じようなことがありました。
一番下の妹は、私より8歳年下なので、私が大学を卒業する時にまだ中学生でした。
卒業式には、元々、母・父・祖母が来る予定でした。
ですが、母が意を決したように、
「たとえ学校を休ませても、こんなチャンスはなかなか無いから、一番下の妹を連れて行く!」
と言いだしました。
当時は私用、しかも海外旅行で学校を休むなど、言語道断だった時代でした。
しかも、日程的にテスト期間とかぶっていました。
それでも母は、中学校に直接説明に行って直談判し、妹も一緒にイギリスに連れてきたのです。
姉とすぐ下の妹はすでに大学生だったので、それぞれアルバイトで貯めたお金で、イギリスの私のところに遊びに来たことがありました。
家族で、「一番下の妹だけがイギリスに行ったことがない」という状況を、母は避けたかったのでしょう。
さて、一番下の妹は、そこまで海外に思い入れも無く、成り行きでイギリスに来たわけです。
しかし、当時の学校がそんな状況だったので、「お姉さんがイギリスで暮らしていて、会いに行くためにテストを休んだ人」として、学校で広く知られることになりました。
そして、帰国したある日、お友達に泣きながら「ずるい」と言われたそうです。
そのお友達は海外にどうしても行きたくて、「高校生になったら留学したい」とずっと両親に訴えているそうです。
でも、両親が「たった一人の娘を海外になぞ絶対に行かせない!」と頑なに反対して、話すら聞いてくれないそうです。
それなのに、別に海外に興味もなく、ぽわ~んとしている私の一番下の妹が、
「お母さんが、絶対に行った方がいいって言うから~。姉もいるし~」
と言って、その子が熱望していることを、何の苦もなくやり遂げてしまうのです。
それは、泣きたくもなるよね~。 理不尽だよね~。
しかも、その子が言うには、「ずるいポイント」は、
海外に行った、
親が留学に理解ある(姉が留学してるし)、
よりも、何よりも
4姉妹なこと
だそうです。
その子からすれば、両親から何度も「一人娘を海外には行かせない!」と言われているので、
4人も娘がいれば、一人ぐらい海外留学に行けるのか!!
と、思ってしまった訳です。
世の中って、つくづく理不尽で不公平?
私も、小学校高学年ぐらいの頃から、ずっと海外留学したいと思っていました。
でも、家は貧乏だから、どう考えても無理だと思っていました。
そんな時に、かたや、父の親戚は皆超お金持ちで、
従妹がドイツに留学したり、
別の従妹はアメリカに留学したり、
叔父が政府の派遣でヨルダンに行ったり、
そして暇になったその奥様(叔母)は、ふら~っとパリに1か月間、行ってしまったり…
まあ、世の中の不公平さを呪っていました。
でもそんな中、ずっと、どうしたら自分が留学できるかを考えていました。
そしたらある時、運命がさーっと開けて、留学できたんです。
(まあ、現実的には母が費用を捻出してくれたからなんですが・・・)
世の不公平さを呪っていただけでは、何も変わらなかったと思います。
今は、逆境って、自分が本当にやりたいことを確認するためにある
とさえ思っています。
そこで、「それでもやりたい!」と決意し、「どうすれば実現できるか?」に目を向けて、とにかく行動し始めると、さーっと運命が開けるものだと実感しています。
だから、「ずるい、悔しい~!」と思ったら、実現のスタートラインに立つ前の、準備運動だと思いましょう!
そこで、「それでもやりたい!」と決意したら、そこがスタートラインです。
息子の親友、Nくんもきっとそこから何か始まるのではないか?と私はひそかに期待しています。
あ、でも息子は息子で、Nくんのことを
「超、頭が良くて、イケメンで、部活でも活躍していて、女子からモテてる! ずるい!」
と、思っています。
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