先日、東京ビッグサイトで行われたとある展示会に、たまに請け負っている通訳としてアテンドした。

担当したのは、モンゴルの会社。 英語がかなり堪能な方々だったので、日英の通訳。

展示会なんて久しぶりだ~。 以前、社長時代は毎年なんらかの展示会に出展していたので、ビッグサイトもなんだか懐かしい。

 

初日。 通訳会社からは午後からの通訳という話だったが、初日って搬入日だよな~、通訳することあるのかな? と思いながら、担当する会社のブースへ。

 

ブースではダンボールやパネル、工具、はさみ、テープなどが散乱し、準備中。

まずは挨拶し、自己紹介する。 すごく優しそうなモンゴル人の女性二人と男性。

「え~、何か通訳することありますか?」と聞いても、ブースの準備をしているだけなので、何もない。 「じゃあ、明日のために製品の資料を見ていますね。」と製品のことを知ろうと資料に目を通す。

 

彼らはパネルをどうするだのなんかガサガサやっているのだが・・・遅い! 動きがのんびりしているし、私が来てから作業が全く進んでいない!

カタログスタンドを見て、何度もあちこち動かして、ああでもない、こうでもないと話し合っている。 パネルがまだ一枚も貼られていない。

ちゃっちゃと準備しないと、このままじゃあ、間に合わないよ! 今までの経験から、これはまずいパターンちゃう?と不安になる。

 

結局、黙っていられなくなった。

 

私:「はい、パネルは何枚あるの?」「これ、フックで吊るすの? テープで貼るの?」

モンゴルの方:「8枚です、フックが持っている数では足りないんです・・・」

私:「じゃあ両面テープで、はがせるタイプのがあるから、買ってきましょうか?」

モ:「普通の両面テープはありますけど・・・」

私:「あ、これは壁には良くても、カウンターには貼れないの、このカウンターはレンタル家具だから」

 

私:「カタログは何種類が何部あるの?」

モ:「この1種類だけです。 でも部数はたくさんあります。」

私:「じゃあ、カタログスタンドに置いてどんどん持っていってもらっていいのね。 でもこのカタログ、A4サイズではなくてA5だからこのカタログスタンドだと間から落ちるから~。 小さめのやつ、XX(←会場出入りのレンタル業者)にあるから。 言えば持ってきて交換してくれるからね。」

 

私:「この製品の並べ方だと、通るお客様から製品が見えないから、こう角度をつけて並べた方がいいよ~」

モ:(通路から離れて見て)「ホントだ~!」

 

 

そして準備が終わって終了の時、

 

私:「帰る前に製品にかぶせておく、布ないの?」

モ:「???」

私:「こうやってそのまま製品むき出しにしてあると、ぱっと盗まれる可能性があるでしょ。 だからカバーをかけておくといいよ。 もちろん、高額のものは鍵付きの棚にしまってね。」

モ:「そうなんだ~」

 

結局は、なぜか通訳で入っているはずの私がブースで指示を出している・・・。 あ~、なんでこうなるんだろう。 こういうところが役職がついた人が再就職できない理由なんだよなぁ・・・と思いつつ、今までの経験が役に立てたのもちょっと嬉しかった。