世界女性サミットで小池知事に質問

 

先日、東京で行われた世界女性サミットに参加した。

世界各国の女性リーダーが参加して、とても刺激を受けた。

いろんな国の素敵な方々と話せて、とても楽しかったし、またとてもいいご縁もたくさんいただけた。 (ご縁はもらうものです! こちら参照

 

サミットのオープニングには、小池知事のトークセッションがあった。

その後、阿部総理大臣、岸田外務大臣のご挨拶もあったが、小池知事は本当に最初のトークセッションなので、女性サミットの会長であるイレーヌ・ナティヴィダッドさんとの柔らかな感じで、インターラクティブなセッションだ。

 

小池知事は全て英語で話していた。 参加している女性たちもみんな、興味津々で、真剣に話を聞いていた。 話もとても面白くて、エジプトへ留学していたことや、環境大臣になってクールビズをスタートさせたこと。 「日本のビジネスマンは、真夏でもスーツにネクタイだから」って言った時に、会場全体がどよめく。

周りの人が「そんなのクレージーよ~」 とか 「信じられない」とか口々に言っていた。

 

ヨーロッパ人は、仕事にスーツを着てくる人がそんなにいないので、私も日本に帰ってきたばかりの頃は、「どうしてこんなに暑いのに、日本人のオジサンってスーツ着てるんだろう?」と不思議に思っていた。

 

余談だが、フランスなんて真夏に女子社員が ”水着にスカート” で出社してきたりした。 (←ワンピースの水着ですが) 「いや、絶対に水着の方が暑いでしょ! Tシャツの方が涼しいでしょ!」 って、ツッコミ入れたかった。

 

質問タイムなのに自分の演説するのはやめて~

まあ、それはさておき、小池知事のスピーチは終わり、質問タイムとなった。

質問したい人は、マイクのあるところまで進んで行かなくてはいけない。

みんな躊躇していたが、私はそんなことでは絶対に怯まない!

「ここは質問しなきゃ損でしょ!」 と思って、マイクのところに行こうと席を立った。

しかし、かなり後ろの席に座っていたので、マイクにたどり着くまでに、前に3名並んでしまった。

 

でも、まあいい。

 

まず、アフリカから来た(多分、政府の要職にある女性)が、フランス語で質問する。

会場には同時通訳が入っているので、知事もイレーヌさんもイヤホンを通して聴いている。

が、このアフリカの女性、質問を言わない!

ただただ、自分の演説を延々と話しているのだ。

 

ステージの知事もイレーヌさんも、だんだん困惑している。

そしてとうとう、イレーヌさんがキレて? その人に話すのを止めさせて、「質問はなに? 自分の意見を言いたいなら後でメールして」と言う。

しかし、アフリカの女性はやめない。

イレーヌさん、さらにキレる・・・。

 

みたいなやりとりがあって、その人は「後で直接話しましょう」となり、着席した。

でも、その人のせいでかなりの時間が取られてしまった。

 

躊躇したら負け

そんなことがあった時に、ふと後ろを見ると、質問に長蛇の列。

ああ、先に出てきてよかった。 こういう、ここぞという時に躊躇しちゃだめだ。

 

そして、次の人の質問。 英語。

英語で答える小池知事。

 

その次の人の質問。 英語。

英語で答える小池知事。

 

その間、私は思った。

質問している人は日本人。

同時通訳が入っているのだし、(しかも、小池知事とイレーヌさんがセッションしている間、英日の通訳聞いてたけど本当にうまかった)なんで、英語で質問するわけ?

小池知事がありがたいことに英語で話しているのだから、英語で話さないと失礼だと思っているのかな?

皆英語だから、右に倣えで英語で質問しているのかな?

 

全員が英語で質問する中、あえて日本語で質問した理由

 

正直、私は「英語を話せますアピール」する必要ないし、(いろんなところですでにしているし)小池知事の英語のレベルでは、本当に深い表現をしてもらえないと思った。 小池知事は英語は上手。  政治や社会情勢の難しい単語も知っていて、勉強されているのだと思う。 他の政治家のオジサンたちは見習ってほしいぐらいだ。 でも、英語で自然な表現でスラスラ話せるというレベルではなかった。

 

それに、今までの質問者は(アフリカのスピーチおばさまのフランス語を除く)みんな英語で質問している。 後ろにはマスコミがずら~っと並んでいるのに、英語じゃあ、あまりニュースにならないじゃん! 

 

そう思った私は、英語ではなく日本語で質問することにした。

でも、自分も通訳をやるので、しっかり通訳者への配慮は忘れない。

 

まずこう切り出した。

 

「日本語で質問させていただきます。」 (同時通訳の方、英日から日英の切り換え、よろしくね!)

 

そして、このような内容を質問した。

 

小池知事へした質問

「自分も働くママで、エンジニア系の会社をやっておりました。

男性が多い業界に女性が入ると、男性が結託して、束になって潰しにかかってくることがあります。

女性からも、そのような特異な立場にある女性に対しての、嫉妬ややっかみなどから、協力してもらえず、足を引っ張られるということもあります。

このような状況に、知事はどのように対応されますか?」

 

さらに続ける。

 

「また、テレビなどで拝見いたしますと、オリンピックの問題などで、あたかも知事が森元首相と」

 

と言ったところで、後ろから、ざわっとした声とパシャパシャとシャッターを切る音が聞こえた。 でも、振り返ることができないので、続ける。

 

「対立しているように報道され、大変なストレスを受けていらっしゃるように、お見受けいたしますが」

 

と言ったところで、イレーヌさんが立ち上がって「Stop! Stop!」と言う。

相変わらずシャッターの音。

 

びっくりしながらも「ストレス解消法を教えてください」と言ったのだが、イレーヌさんの声にかき消されてしまった。

 

小池知事はにっこり笑って。

後は、テレビで何度も流れた映像の答えを話してくれた。

 

イメージ操作が行われていること。 前から決まっていたのに、まるで「知事が安倍首相のところに、泣き付いて駆け込んだ」みたいに報道された。 などの件だ。

 

そして、最後に私の方を向いて

 

「私も今、戦っております。 束になってかかってきます。 一緒にがんばりましょう。」

 

と言って、ニッコリ笑った。

 

質問の回答としては?だが、一緒にがんばりましょうと言われて嬉しかった~。(ミーハーな私)

 

まさかこんな風にニュースになるとは

さて、その後、迎賓館でのレセプションなどを楽しんで(この様子はまた別の機会に!)、家に帰宅し、息子に「ママ、小池知事に質問しちゃった~! 迎賓館にも行っちゃった~! 海外のお友達たくさんできた~!」と上機嫌で話しかける。

 

息子は、「小池知事に質問した」には、ちょっと反応して「ふ~ん。 よかったね。」と言うが、迎賓館の話とか、知り合いになった人達のことを話そうとしても、「はいはい、自慢はもういいから」と言って、聞いてくれない。

 

「つまんない、昔はもっとかわいかったのに!」と思ってテレビをつける。

すると、ニュースのトップで、小池知事が・・とキャスターが言う。

そして流れるVTR。

 

なんと、私が、小池知事に質問しているところが、流れているではないか!

 

息子に、「これ、ママ!」と言うと、息子に「ママ、すげえじゃん」とちょっと尊敬された。

 

でも、ニュースでは「小池知事が(安倍首相との会談は)前から決まっていたと反論」と騒ぎ、

私が「束になって潰しにかかってくる」と言ったから、

知事が「束になってかかってきます」と言ったことに対して、

“束とは誰のことか?”

と解析している。

 

なんか、すごいことになっているとびっくりしてしまった。 ちゃんと狙って、日本語で質問したから、ニュースに取り上げられるとは思ったけど、「小池知事が世界女性サミットに参加しました」ぐらいだと思っていた。

でも、きっと小池知事は賢い方だから、私の質問をチャンスだと思って、反論できるように計算して発言したんだろうな~。

政治家ってすごい。

でも、日本語でタイムリーな質問したおかげで、世界女性サミットがいろんなニュースで取り上げられたので、私もちょっとすごい?と図に乗ってしまうのだった。