小学校2年生の初めての家出
息子が小学校2年生の時、突然こう言われた。
「ママ~、オレのリュックってどこ? 出して~。」
え? 明日遠足でもないのに、なんだ? と思ってちょっとびっくりしたが、どうしても必要だというので、リュックを出した。
すると、息子はその中に自分の大事なおもちゃ、DS、カードゲームなどを入れ。 その後、「ママ~、オレの着替えってある?」と聞いてきた。
何が始まるのか分からず、とりあえず、箪笥の中だと教えると、なんかゴソゴゾやって荷造りをしている。 さすがに、何をやっているのかと思い、聞いてみると息子は明るく答えた。
「オレ、家出するから~!」
深刻さはまるでない。
私も同じ年の頃家出しようとした!
思い起こせば、私も小学校2年生ぐらいの時、家出しようと決意して荷物を詰めた。 同じ部屋だった、一つ下の妹に見つかって、何をやっているのか聞かれた。
「絶対に誰にも言わない?」と妹に聞くと、「絶対に言わない、約束する」と言う。
それを2回ぐらい繰り返し、念を押して、意を決して妹に
「私、家出しようと思ってる!」
と言った。
妹はなんと速攻で、「お母さ~ん、お父さ~ん、ちいちゃんが家出するってよ~!」と、大声で言った。
親が出てきて、「何考えてるんだ!」と本気で怒られた。
しかし、私にとっては怒られたことよりも、あれだけ「絶対に誰にも言わない」と言ったその次の言葉で、親に告げ口した妹のその行動の方がショックで、あっけにとられてしまって、何が何だか分からなかった。
親が怒っていても全く聞こえず、家出そのものも、あまりのショックに吹っ飛んでしまって、とにかく妹の「誰にも言わない」は2度と信用しない!と思っていた。
とにかく怒らず対応
私の場合は、そんなショッキングな妹の裏切りで、ありがたいことに、引っ込みがつかなくなる前に家出計画が吹っ飛んだ。
しかも、家出しようとした理由なんて、大したことじゃなくて、多分、昔流行ったアメリカのドラマの「大草原の小さな家」でやってたから、自分もなんとなく家出してみたくなった…程度のことだった。
息子に「家出なんて!」と怒ったところで、変にこじれても困る。 そう思った私は心配しながらも、顔に出さずこう言った。
「そう。 分かった。 じゃあ、ばぁばのお家に着いたら電話してね!」
実家は家から徒歩5分のところにあって、小学校が終わると息子は実家に帰っていた。 だから、行くところといえば実家だろうと思ったのだ。
息子は「うん、分かった~!」と素直に元気に返事して、実家に家出しに行った。
そして、ちゃんと実家に着いたら、電話してきた。
あっさり家出を撤回した理由
息子の2回目の家出は小学校4年生の時。 ある日の土曜日。
なんかちょっとしたことで、息子の希望が通らず、息子は相当不満だったらしい。
一応その言い争いというか、話し合いが終わって、私が妹(←昔告げ口した妹)からの電話に出て話していると、息子が深刻な顔をして、リュックを持って私の前に立ってこう言った。
「オレ、家出するから!」
私、「え? 家出するの? 残念~。
ばぁばが、今から、家族みんなを焼肉屋に連れて行ってくれるってよ!
息子はショックで完全に固まっていた。
私:「明日にしたら?」
息子:「….そうだね! 明日にする~!」
息子は焼肉に勝てず! 家出をその日は断念し、明日家出することにして、とりあえず焼肉に参加することに。 電話口の向こうから、妹が大笑いしているのが聞こえる
そう、妹からかかってきた電話は、「ばぁばのおごりで、みんなで焼肉行くよ~」という電話だったのだ。
友達の家出は、なんか盛り上がる
さて、次の日の日曜日、焼肉ですっかり息子の機嫌が直ったものだと思っていたら、やっぱり家出するかも…とのこと。 でも、とにかくお友達に誘われているから、公園に遊びに行く! と言う。
で、家出はどうするの?と聞くと、
「う~ん、多分しないけど、明日するかも~。 まだ分からない。」 と言う。
そうして、息子は近くの団地内にある公園に行った。(実家はこの団地です)
私は、そんな大変なことにはならないだろうと思いながらも、やはりどこか心配だった。
でも、男子って、無理やり止めたところで、余計に反発するので、「ここは我慢だ」と思って、息子を信じることにした。
しばらくして、息子から電話が!(4年生なので、携帯は持っていた)
「ママ、お願いだから、あと10分したらオレに電話して、絶対だよ!」
なんでも、息子は、仲の良い同級生の男子4人ぐらいで公園で遊んでいて、昨日の不満をみんなに話したらしい。 そして、「家出してやろうと思った」と友達に言った。
すると、友達達が、「家出するなら、秘密基地に泊まればいい!」と言いだし、友達達が勝手に盛り上がって、団地の裏の方に捨ててあったクッションなどを拾ってきて、秘密基地に寝床を作ったらしい。 (息子たちは、小学生男子がみんなやるように、団地内に秘密基地を作っていた)
ハッキリ言って、友達が家出して野宿するなんて、自分じゃないので、それは楽しい!
しかし、神経質で虫が大っ嫌いで、アリですら異常に嫌がる息子が、そんなところに野宿なんてできるわけがない。 ましてや、そんな拾ってきた汚いクッションなんて、息子はきっと触るのも嫌だろう。 でも、友達が盛り上がってしまって、息子は嫌だと言いだせない。
なので、息子はちょっとトイレと言って抜け出し、私に電話してきた。 そして、10分後に私が息子の携帯に電話して「いいから帰ってきなさい!」と怒ってくれと。 その電話で、息子は友達に「ママが本気で怒っているから、やっぱり帰る」と言って帰ってくるという作戦だ。
さて、10分後息子に電話した後、息子は逃げるように走って帰ってきた。
息子が帰ってきた後、これはきちんと話し合おうと思って、息子に言った。
「あのさ~、なんでそんなに家出したいの? 家やママが嫌なの?」
すると息子は
「う~ん、違うよ。 どちらからと言うと、冒険したいんだよ。」
私:(出た~、男子! 冒険とかロマンとか、訳分からん!)と思いつつ、
「そうか~、じゃあ家出する必要はないんだね。 じゃあ、今度何か不満があっても、冒険したくても、家出はやめようか。 危ない目にあったり、今回みたいなことになって、野宿する羽目になっても困るでしょ~。」
よほど、汚いクッションや野宿させられそうになったのが効いたのか、息子の家出願望はそれ以来、一切なくなった。
でも、その後しばらくして、息子が「冒険したい気持ちをどうにかするいい方法がある!」と「ドラクエ」をおねだりしてきた。
もちろん買ってあげるよ、誕生日にね!
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