長い海外生活から日本に帰って、外資系のメーカーでバリバリ働いた、私。
いろいろ、海外と日本の違いでやらかしたことはあるし、5時半のチャイムと同時に「お先に失礼しま~す。」 が代名詞。
でも、がっつり成果を出すので怒られない~。 ははは~、世のおっさん達、ざま~みろ! などと思い、調子にのってました。
さて、そんな順調なサラリーマン生活が、ある時一気に激変するのです。
私を一番評価してくれていた、本社(海外)の上司が辞めてしまいました。 (日本にも上司はいましたが・・・)
本社で代わりにそのポジションについたのは、赤いオープンカーを乗り回す”バーコード禿げおやじ!”。 実力もやる気も全くないのに、創業者の一家だから会社にいる人で、セクハラしまくり。 どこにもその人ができる仕事がないく、各部門が押し付けあっている。 空いているならそのポジションにしろと無理やり言ってきたらしい。 しかも、「女は家にいるべき」と言ってしまうような時代錯誤なヤツだ!
もういやだ!
あんな気持ち悪いバーコードおやじ、しかもバカ!
だいたい、ハゲならオープンカーでなく頭が隠れる屋根がついてる普通の車に乗ればいいのに、あの寒い国でオープンカーに乗る意味が分からない!
そんな時、辞めた元上司からメールが。
「自分が独立して起こした会社の、日本での立ち上げをやってほしい」 とのこと。
震えがきました。 涙が出てきました。
急に未来が開けた感じがしたし、私のことを見てて信頼してくれていたのが何よりもうれしかった。 長い海外生活の後、日本に帰国して、日本語がうまく出てこなかったり、敬語がきちんと使えなかったり、なにしろ感覚の違いにすごく悩まされていたけど、顧客には誠実に向きあってきたつもりだったし、きっちり成果も出してきた。 (日報はサボりまくっていたけどね)
でも、創業者一家のバカに訳の分からないことで難癖つけられたり、目の前で「女は家にいろ」とか、「次はもっと短いスカートはいてくるように言おうかな~、おっと冗談冗談、セクハラじゃないよ」 などと言われたりした。 また、そんなバカにへらへらへつらう、自分の身の保身しか考えていない日本法人の社長も許せなかった。
もう考えることもなく、私の答えは出ていた。
そんなことから、会社を辞めて元上司の会社の日本支社を立ち上げることになった私。
そのことをイギリスの大学を卒業してすぐ、フランスに行く前に、日本で一年働いていた時にお世話になった会社のT社長に報告に行きました。 この方も海外赴任を長くやっていたので、海外生活が長くて日本になじめない私の状況を理解してくれて、本当にお世話になりました。
とても尊敬できる人です。
T社長は、びっくりしながらも 「この若さで大抜擢だね!」 と喜んでくれました。
私が「とにかく、こんなチャンスもう無いから、不安も多いけどやるしかないと思って」
というと、人生の先輩であるT社長から
「そんなことはない! これは最初のチャンスだよ! これで終わりじゃないんだ、これからもずっと、人生いろんなことがあるんだよ! そしてチャンスはいろんなところにあるんだよ。 でもそれを掴めるかどうかは、自分次第なんだよ」
と言われました。
この「最初のチャンス」という言葉に、会社を立ち上げるのはゴールじゃなくて入口だと、あらためて強く気づかされたのでした。
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起業・独立したいと言う人は多いけど、実際は今の会社や今の状況から逃れたいというだけの人って多い。
起業や独立は「最初」のチャンス! その後も人生は続くのだ~!